川口・草加建設業許可代行センター

建設キャリアアップシステムは、技能者の資格、社会保険加入状況、現場の職業履歴などを建設業界内で登録・蓄積する仕組みです。
このシステムを活用することで、技能者の能力、経験、資格などを見える化して、技能者が能力や経験に応じた処遇を受けられる環境を整備し、将来にわたって建設業の担い手を確保することを目的としています。

建設キャリアアップは次の３つのステップからなっています。
①建設技能者情報等を建設キャリアシステムへ登録
登録される情報は「事業者情報」、「技能者情報」、「現場情報」の３つです。
・「事業者情報」とは、建設会社の商号、所在地、建設業許可情報など
・「技能者情報」とは、本人情報、保有資格、社会保険加入状況など
・「現場情報」とは、現場名、工事の内容など

②カードの交付・現場での読み取り
①で登録された技能者にはカードが交付され、現場入場の度にカードを読み取り、現場名や工事の内容などの現場情報が登録され、現場情報が蓄積されていきます。

③技能者の能力評価
①、②で登録された情報に基づいて、①経験（就業日数）②知識・技能（保有資格）③マネジメント能力（登録基幹技能者講習・職長経験）が技能者の能力として、建設キャリアアップシステムにより客観的に評価されます。
建設キャリアアップシステムに登録した技能者に対し個別に配布されるキャリアアップカードをレベルに応じて４つに色分けされます。

〇技能者の技能について、４段階の客観的な能力評価基準を策定（専門工事業団体など、例えば管工事業、内装工事業、屋根工事業などの団体が、職種ごとの能力評価基準を策定）。

４つのレベルは下記のようになります。
レベル１：初級技能者（見習い）、レベル２：中堅技能者（一人前）、レベル３：職長として現場に従事できる者、レベル４：高度なマネジメント能力を有する者（登録基幹技能者等）

〇建設キャリアアップシステムに登録、蓄積された経験（就業日数）、知識・技能（保有資格）、マネジメント能力（職長や班長としての就業日数など）を能力評価基準に基づいて、レベルを判定し、レベルに応じて色分けされたカードを交付。

〇技能者のキャリアアップの明確化と技能レベルの見える化
建設業界横断で技能者の客観的なレベル分けがされ、技能に応じたカードが配布されるので、自分のレベルがわかり、今後キャリアアップするのにどのような経験・資格・技能が必要なのかが明確になり、キャリアプランが立てやすくなる。また自身の技能レベルが建設業界全体に見える化される。
⇒人手不足の建設業界において若年層の建設業界への就職拡大、定着が促進される。また技能水準がPRしやすくなることにより転職が容易になり、技能に見合った評価や処遇を受けることができる。

〇技能の対外的PR
技能の見える化により高い技能レベルであれば、取引先や顧客に技能レベルの高さをPRでき、価格交渉力が高まり、競争力も高まる。

〇専門工事企業（例　内装仕上工事業、屋根工事業、管工事業など）の施工能力のPR
所属する技能者のレベルや何人くらい高いレベルの技能者がいるのかが見える化され、人材育成に取り組み、高い施工能力を有していることを発注者（公共・民間）、元請け企業、エンドユーザーにPRすることができるので、同業他社との差別化ができる。
⇒高いレベルの職人を育て、雇用する企業が選ばれていきます

建設業業界において人手不足と人材の高齢化が問題となっています。そのため、建設業界が若年層に選ばれる業界になるために、キャリアパスの明確化（将来目標の明確化）が必要になるということから建設キャリアアップシステムが作られました。ただしそのためには、技能のレベルに見合った給与が必要になります。例えば、このレベルの技能になれば、このくらいの給与がもらえると思えば、高い技能を得るために、資格を取ったり、経験を積んでがんばろうというモチベーションが高まります。
個人事業主や社長自ら現場で働く建設業者の皆様の場合、ご自身が高い技能レベルであれば、高い施工能力のある業者として、同業他社との差別化が可能にあり、発注者、元請け業者、エンドユーザーから選ばれやすくなり、価格競争力も高まります。
何人か技術者を雇っている建設業者様も、技能者のレベルがあがり、高い技能レベルをもつ技能者が多くなれば、よりお客様や取引先から選ばれやすくなり、大きな工事を獲得できるチャンスも増えると思います。また高いレベルの職人を育てているということで、人材も獲得しやすくなります。
以上のように建設キャリアアップシステムは、職人にとっても経営者にとっても、建設業界全体にとってもメリットがあるシステムだと思います。